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帰ってきたんだ 目の前に聳え立つ古城を見上げながら、は感慨深げにため息をついた。 数年前に卒業した愛する母校。 そしてこれからは、自分の職場になる。愛する生徒たちを教えられる。 恩を返す時が来たのだ。 ![]() 第2話 大広間 ホグワーツに着く頃には、もうすでに辺りは暗くなり、天井に映し出された夜空には星が輝いていた。 がやがやと、大広間に全校生徒と教員が集まり賑わっている。 は少し緊張した面持ちで、教職員のテーブルにある自分の席についた。 先程挨拶を交わした校長であるダンブルドアが、再び微笑んでに話しかけてくれた。 「そう緊張するでない、。母校に戻ってきたんじゃ、もっとくつろいでくれんかのう。」 そう言ってフォッフォッフォッ、とのんきに笑う。 「はは、はい。」 そう言われても、魔法学校で教鞭をとるなんて初めてのことで、教師経験も浅いし、 先程の列車での自分の頼りなさもあって、自信がほとんどなくなってしまった。 「気分はどうだい?顔色はずいぶんよくなったようだけど」 いつの間にかの隣に座っていたリーマス・ルーピンが、彼女の顔をのぞくようにして見つめる。 不意打ちで、しかもなんだか恥ずかしくなっては顔を赤くしながら距離を置いた。 「もう大丈夫です、ルーピン先生!いただいたチョコレートのおかげで!」 「そう、それはよかった。」 相変わらず、生徒を見るような目で人を見てくるルーピン。 これ以上子ども扱いしたら、文句言ってやるんだから。と妙な対抗心がの中に湧き上がる。 そんなことは露知らず、ルーピンは「チョコレートの成分はね、」と話し始めた。 横でそんな2人を楽しそうに見つめるダンブルドア。 「決まりだ!!今年からあの麗しの彼女を、我々の姫にする!」 「そうだ、フレッド!!」 そんな声が同じテーブルから聞こえてきて、ハリーもロンも可笑しそうに笑う。 彼らの側に座るハーマイオニーは呆れた顔をする。 「まったく、単純ね。」 「おやぁ、どこかの誰かさんも去年の今頃はポケーっとしていたじゃないか。 あの歯の浮くようなことばっかり言うほら吹き教授に!なぁ、ハリー?」 「な、なんですって!!!!」 同意を求められて苦笑いするハリーの横で、ハーマイオニーはロンに対して憤慨する。 ハリーは、寮テーブルに並べられた、久々に食べる豪華な食事に手をつけながら、ふと視線を教職員テーブルに送る。 先程紹介された、新しい先生たち。 ハグリッドが先生になるなんて、こんなに喜ばしいことはない。まだ照れて赤い顔をしたハグリッドが面白くて、にやりと笑う。 そして中央のダンブルドアを挟んで、もう一方のテーブルの席に座っている2人。 新しい闇の魔術に対する防衛術の先生、リーマス・ジョン・ルーピン。 ちょっと白髪交じりで(そんなに老けてないと思うけど)、くたびれた髭が余計疲れている印象を与える。 優しそうな先生だ。スネイプじゃなくてよかった。 ルーピン先生の隣に座る、新しいマグル学の先生、・。 マグル学には興味がないから、とらないつもりだけど…綺麗な先生だ。笑顔がかわいいし。歳はきっとぼくらに近い。 明るい色の髪にウェーブがかかっていて、ローブの下の白いスカートも似合う。フレッドやジョージがああ言うのも頷ける。 「…リー?ハリー?!」 「えっ、ああ、ごめん。聞いてなかった。」 「あなたまで!!」 まったくもう、とため息をつくハーマイオニー。 どうか穏やかで楽しい1年になりますように、と相変わらずな友人たちを見て、ハリーは願った。 自分に宛がわれた教室、すぐ近くに用意された自室の窓を広げ、はまた夜空を見上げた。 「はぁ、やっと1日が終わった。長かったぁ」 ホグワーツ特急でのできごとといい、恩師たちと再会したり、大広間で全校生徒の前で紹介されたり。 忙しい1日だった。 「失恋どころじゃないわよね。」 ホグワーツに戻ってくることで、なんだか気持ちもリセットできたような気がした。 リーマス・J・ルーピン。 ふと、彼の顔や彼との会話を思い出してしまった。 『誰に対しても、優しい人だわ。』 きっとすばらしい授業をするのだろう。そんな気がした。 でも、 彼がふとした瞬間に見せる、あの瞳。 気のせいかもしれないが、冷たい感じがするのだ。あまり、人を寄せ付けたくないのかもしれない。 漠然とはそう思った。 『何考えてるのよ、もう!ルーピン先生がどうしたっていうのよ。どうだっていいじゃない! それよりも明日は授業開始よ、頑張らなくちゃ!』 はいそいそとベッドに潜り込むと、1つの蝋燭を残し、部屋中の明かりを消した。 いろいろなことが、頭の中をぐるぐると駆け巡る。 「誰も好きにならないんだから。」 自分に暗示をかけるようにそう呟くと、はまぶたを閉じた。 (2007.5.5) 短いですよね(汗。ルーピン先生が素敵に書けない、ごめんなさい(>△<) *web拍手を送る back / home / next |